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Youtube : 第9回、9分52秒から

さて、内容語の列で作られる述語では、デフォルトでは、最後に出てくる内容語の定義によって、項の役割が決まりますが、このような、述語の中で主役になる内容語と、それを修飾する内容語の、出てくる順番を入れ替える機能語もあります。 例えば

ti mapku co cizra pendo bo ctuca

この命題の中の {co} という機能語には、述語の列の中でcoの前に出てくる部分と、coの後に出てくる部分との、修飾関係を逆転させる働きがあります。 つまり {mapku co cizra pendo bo ctuca} という述語の中の {mapku} は、 {co} の後の {cizra pendo bo ctuca} 「変な[友達の先生]」という部分に修飾されます。

そして、この述語の中で、項の役割を決めるのも、まずは {mapku} です。 ですから、この命題の {ti} 「これは」という項は、 {mapku} の定義による1番めの項の役割、つまり「帽子であるもの」という項の役割を担います。

ひとつ、注意するべきことがあります。

タグ無しの項や、FA類のタグが付いた項が、この述語よりも後に出てくると、その項の役割は、述語の中のcoより後に出てくる内容語の定義によって決まります。

例えば

ti lo silka ku mapku co cizra pendo bo ctuca fo lo zu'o dansu

という命題を考えましょう。 この命題の述語は、先ほどと同じ {mapku co cizra pendo bo ctuca} 「[変な[友だちの先生]]の帽子だ」という部分です。

項は3つに増えていて、述語の前には2つ

ti 「これ」

lo silka ku 「絹」

という項が出てきます。 この2つの項の役割は、述語の中で {co} の前に出てくる {mapku} によって決まりますから、 {ti} は {mapku} の1番めの項、「帽子であるもの」 という役割を担い、 {lo silka ku} は {mapku} の2番めの項として、「帽子の素材」という役割を担います。 「絹でできた帽子だ」ということです。

もう1つの項は、述語の後に出てきます。

fo lo zu'o dansu 「ダンスの動作」

この項にはFA類の項のタグ {fo} が付いています。これは、4番めの項の役割を与えるタグです。 この項は述語の後に出てきますから、この項の役割は、述語の中のcoより後に出てくる {cizra pendo bo ctuca} という部分によって決まります。 この中で最後に来る {ctuca} という内容語の定義によって、項の役割が決まります。 {ctuca} の定義によると、4番めの項には 「教える主題」 という項の役割が与えられます。 ですから、「ダンスの動作について教える」ということになります。 こうして、この命題は、大雑把に言えば「これは、[ダンスの動作について教える[変な[友だちの先生]]]の絹でできた帽子だ」という意味になります。