PU類など

Youtube : 第6回、 3分26秒から

さて、項のタグの、他の例も挙げてみましょう。

pu lo nu sipna ku denci spali

この命題の述語は {denci spali} という部分で、これは、簡単に言うと「歯磨きをする」という意味です。

この命題の項は1つだけあって {pu lo nu sipna ku} という部分です。 この最初に出てくる {pu} というのは、項のタグで、「その項の内容より時間的に先行して」という意味の、項の役割を与えます。 {pu} の後に続く {lo nu sipna ku} という部分は「眠ること」というものごとを指している項です。 ですから、 {pu lo nu sipna ku} というタグ付きの項は「眠ることより時間的に先行して」つまり「寝る前に」という意味になります。

この命題全体は 「寝る前に歯磨きをする」 という意味になります。

この命題に出てきた {pu} というタグは、PU類という品詞に属する単語です。 PU類の単語も、項の直前に付くと、その項に項の役割を与えます。

さきほどのBAI類や、このPU類という品詞の単語のほかにも、項のタグとして使われる表現は、いろいろありますが、文法上の振る舞いは、どれもよく似ています。 ただ、 PU類などの品詞は、時間や空間に関わる表現に使われますが、 BAI類は主にそれ以外の表現に使われますから、 意味上は、大きな違いがあります。 そのため、ロジバン文法の現在のヴァージョンでは、 時間や空間に関わるPU類などの品詞と、BAI類とは、文法的にも細かい点で違いがあります。 ただし、ロジバン文法の改良案として、時間や空間に関わるPU類などの品詞をBAI類に統合することも提案されていますから (zasni gerna cenba vreji (英語))、次期ヴァージョンでは、PU類とBAI類との文法上の違いが無くなるかもしれません。