発音 : ts dz tc dj

Youtube : 第11回、 16分10秒から

実は、ロジバンに出てくる音素の紹介は、前回まででひと通り終わりました。 今回からは、2種類の子音が連続する場合の発音を練習していきましょう。

ロジバンでは、同じ子音が連続することは、音素の並び方の規則として、禁止されています。 違う子音の連続については、難しい組み合わせを、なるべく禁止する方針ではあるのですが、 それでも、日本語話者にとって、難しい組み合わせというのは、いくつかあります。 話し手として、子音の連続が発音しにくい場合は、その2つの子音の間に、緩衝音、つまり、弱くて曖昧な母音を、入れても構いません。

今回練習するのは、比較的簡単な連続子音です。

ts[t͡s]ツの子音
dz[d͡z][t͡s]を有声音にしたもの
tc[t͡ʃ] [ʈ͡ʂ][t͡ʃ]はチの子音[t͡ɕ]よりも舌を少し奥に引っ込める/ [ʈ͡ʂ]は[t͡ʃ]から更に舌の先を少し上に曲げる
dj[d͡ʒ] [ɖ͡ʐ ][t͡ʃ] [ʈ͡ʂ]を有声音にしたもの

どれも、1つの子音であるかのように、聞こえるかもしれませんが、実は、2つの子音が繋がって、1つに聞こえているだけですよ。 {t} や {d} の破裂音で舌の先が上顎から離れると同時に、次の摩擦音が出ています。

{dz} や {dj} は、前回練習した {z} や {j} と似た音に聞こえるかも知れませんが、あの {z} や {j} は摩擦音ですから、舌が上顎に付きません。 今回練習する {dz} や {dj} は、 {d} という破裂音で始まりますから、最初は舌が上顎の内側の歯茎に付いています。

以上の4種類の連続子音は、どれも、破裂音と摩擦音の組み合わせで構成されています。発音しにくい場合は、弱くて曖昧な母音を緩衝音として入れても構いません。 緩衝音が入っても、ロジバンでは {ts} {dz} {tc} {dj} と同じ音素列と見なされます。

それから、ロジバンの音素列の規則では、これらの連続子音 {ts} {dz} {tc} {dj} が、 {n} という子音の直後に来ることはありません。

では、以上の4種類の連続子音を含む単語をいくつか発音してみましょう。

zutse (座る)

tsani (そら)

cadzu (歩く)

dzipo (南極)

ratcu (鼠)

tcidu (読む)

cidja (食べ物)

djuno (知っている)